えひめ千年の森をつくる会
一緒に森づくりしませんか?
えひめ千年の森をつくる会

えひめ千年の森をつくる会とは

千年の森をつくる
えひめ千年の森をつくる会 会長  鶴見武道

1 はじめに

私は昭和53年から22年間勤めた千葉県立の農業高校を退職して、平成12年4月に愛媛大学にやって来ました。千葉県で構想し、一部実践していた千年の森をつくる活動は、こちらに来てからさらに深まりと広がりを見せています。

2 私たちのめざす千年の森

「千年の森をつくる」とは、現存の森林が更新を繰り返しながら千年後も森林であり続けるようにすることです。したがって、屋久島の千年を超えた杉が生える森林も、全国各地の苗木を植えたばかりの幼い森林も、それを守り育てていこうとする人々がいる限り、ともに千年の森なのです。全国各地の森林を大切に思う人たちによって、必要に応じた千年の森がつくられていくことを願っています。

私は千葉県での活動を引き継ぎ、平成12年4月から「えひめ千年の森をつくる会」の活動を開始しました。私たちがめざしている千年の森は、(1)森づくり(2)世界に開かれた木炭学校(3)自然農法実践農場(4)農林産物の加工が学べる場(安全で健康によい「食」と、体に優しい家づくりが学べる場)(5)ありのままの自分に出会う場(6)未来循環型自給をめざした生活の提案の6分野から成るものです。

私たちの住まいは、井内の棚田の一番上、標高520mの中山間地にあります。昭和24年築の母屋と萱葺きの納屋、それに別棟の薪で炊く風呂がある農家住宅で、棚田が約30枚・6反歩ついていました。後ろには山を背負い、湧き水が流れ、眼下には弓なりの曲線美が残る棚田、その先には山々と整備された棚田が広がっているこの地は、自給自足をめざした未来循環型の生活や、千年の森づくりを実現していくのに最適なところです。

ここで行っていることやこれから行おうとしていることは次のとおりです。

(1)森づくりは、主に、森林の整備を行っています。

(2)世界に開かれた木炭学校は、炭窯の作り方、炭の焼き方、木炭、木酢液の利用、薪炭林の造成が学べるところです。平成14年4月にこの地域に伝わる伝統の本格的な土窯が地域の人の協力で完成しました。

(3)自然農法が学べる場は、山に接し、一番上に位置する棚田を得たことによって実現しました。現在は、農薬、化学肥料、除草剤を用いない農法で、耕起し、おから、米ぬか、籾殻、木炭粉、木酢液などに土着微生物を入れて作った堆肥を使う有機農業です。

(4)農林産物の加工が学べる場は、有機農業で得た農産物を用いて、玄米菜食中心の料理を作り、安全で健康によい食の体験ができるようにしています。林産物の加工では、シックハウス(汚染住宅、病気の家)に住んで、健康を損なうことのないように、安全な木造の家を建てたい人、木材供給者、それらをよく理解した大工が一堂に会して、三者がそれぞれプラスになる形で家を建てられるように学びの場を提供したいと考えています。

(5)ありのままの自分に出会う場は、参加者が農業や林業の体験をしながら、自分らしさを認め、豊かな人間に育っていける場を確保したいということで想定しました。自然体験教室や、千年の森の活動、炭焼きなどを実施しています。

(6)未来循環型自給をめざした提案は、ここの暮らしを発信することによって行っています。昭和35年を境に日本社会は大きく変わりました。高度経済成長の名の下に、化石エネルギーや、化石を使ったプラスチック製品が作られ、農業では化学肥料や農薬、除草剤が使われ、大量生産、大量消費へと向かっていきました。その結果、地球環境が汚染され、このままでは永続が難しい状況になっています。昭和35年以前は、永続可能な循環型社会でしたが、その当時人々は貧しくて、もっと便利で快適な生活を求めていました。未来循環型自給をめざした生活は、安全な食を得るために家族で協力して自分たちが食べる食糧を自給することや、環境に負荷をかけない生活を意図的に選んでいき、そのような生活の中で子どもたちがのびのびと育ち、楽しく真に豊かな生活が実現していきます。

3 森づくりの力と気づき

この森づくりには、迷いや悩みを抱える人たちもやってきます。今の仕事に疑問を持ち、職場を変えようとしている人もいます。しかし不思議なことに、千年の森づくりに参加しているうちにみんな明るく元気になっていきます。
現在の深刻な地球環境破壊の状況を知れば知るほど、多くの人は絶望的になったり、いつも心が不安になったりします。しかし、藪を刈ったり木を植えたりして具体的に森づくりをしていると、とっても心が安らぎます。諦めも不安もなくなります。今、私たちにできることを少しずつ続けていけばいいのだと自然に思えるようになります。
私は、これまで森づくりの活動をしてきて、大切なことに気づきました。それは千年の森づくりは森林や施設がなくてもできるということです。「千年の後までも森林であるようにしていく」というこの思いを皆が共有していくことによって、いつでもどこでも誰でも、千年の森づくりは可能なのです。森林を守り育てる活動は、資源の枯渇や地球温暖化の問題から、資源的にも、環境的にも絶対的制約下におかれている21世紀にあって尊いことですが、同時にその活動に参加している人たちは自分の心もいやされているのです。

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